『旧車生活』

旧車(FIAT 500F:チンクエチェント)を軸に、趣味のことをずらずらと…

シートレバー交換。

バッテリーあがりに続き、アバルト500のトラブルあるある「シフトレバー破損」がとうとう来てしまいました。

後席に人が乗り込むときに、前席シートを前に倒してずらすためのレバーですが、ありがたいことに肩のあたりにあります。使い勝手はとてもいいのですが、ロックを外す機構は座面のあたりにあるはずなので、そことを繋ぐためにワイヤーを引いており、わざわざひと手間かけているのです。恐るべしイタリアン魂。

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シートの構造。8番のパーツが今回の交換対象
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ディーラーで購入した交換部品。何故こんな部品が16千円…

ここまでは褒められるべきことなのですが、問題はここから。

レバーは回転方向に動き、そしてその動きでワイヤーをぐいぐい引っ張るので、どうしても変な方向に力がかかってしまいます。そしてそのレバーは樹脂製が故、「そりゃ、そう遠くない将来、割れるわな…」と思ってしまいました。もうちょっと荷重が分散するような構造をとってくれればいいのに…。それでも、割れるだけなら”直せばいいじゃん”なのですが、部品代を聞いてドン引き。

部品代 16,720円(もちろん1個)

はい?こんな樹脂もの、高すぎでしょう!!

当初は後席に人を乗せることなど滅多にはありませんでしたので、操作する機会も少なかったのですが、子どもを保育園に送るようになってからのここ2年くらいは毎日乗せ降ろしで2回は操作していたので、一気に寿命を縮めてしまったのかもしれません。

ちなみに、もともと海外の部品なんだし、ちょっとでも安く…と思って海外のサイトもあたってみましたが、やっぱり13,000円くらいはしてましたので、送料と、変なものをつかまされてすぐ壊れてしまうことを思うと、ディーラーで手配をお願いしました。

簡単に外せそうだったので、工賃はそんなにかからない…、いやなんなら部品代の中でやってくれるかも…と期待して見積もりをお願いしたところ、見事に玉砕されました。

交換工賃 6,600円

部品も高けりゃ、工賃もびっくり価格!!これは何が何でも自分でやるしかない!ということで作業開始です。

 

まずはレバーを外します。

レバーを引くと、ねじが1個見えるので、これを外すだけです。あとはフレームに嵌め込んであるだけなので、ぐいぐい引っ張れば抜けてきます。

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右上に見えているのがねじ。落とすと悲惨なのでマグネット付きドライバーがおすすめ。そして奥に見える丸い頭がワイヤーの端で本来はこれが手前の丸穴内に収まっているはずですが、割れて外れてしまっているので、遠くにいます。

これでいける!!、と思っていたのが沼の始まり。”抜けてくる”ものの、意外に出てこないのです。買った部品が届くまで、はてどうやったら外せるのかと悩んでいましたが、部品が来て見て判明。なんと、爪を押して”横にずらす”のです。

これがなかなか難儀でした。意外にしっかり嵌め込まれている上、この狭いスペースの中で、ずらすべき横方向に力がかからんのです。ずっとやってると爪が吹っ飛んでしまいそうだし、嫌気がさしてきましたが、何とか精密ドライバーで外すことができました。

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当初は真ん中の爪を押してワイヤーが出ている方向(右奥)にずらそうとしていましたが、正解は、爪を押して”ワイヤーとは直行方向(左奥)”にずらす、です。なかなか難儀…

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何とか外れました。こうしてみると、左右にずらさなければいけないことがよく解ります

これで沼を抜け出し、よしっ!今度こそっ、後は新品を嵌めて戻すだけ…と思いきや、この沼まだまだ深かったです…。上の写真からほとんど引っ張り出せないので、球をレバーに引っ掛けられないのです(泣)。知恵の輪状態で、頑張ればできたのかもしれませんが、私には無理でした。どうしても周りのフレームに邪魔されてしまうので、何とかこのワイヤーを手前に引っ張り出したいと思ったのです。

で、意を決してシートカバーを開けることにしました。

背面にチャックがあったので、チャックを開ければすぐか、と思ったら、これまたいろんなところにカチカチのフックでフレームに固定されていて、イタリア人の拘りを感じずにはいられませんでした。まぁ、確かにシートカバーが弛んでるとかっこ悪いけど、もうちょっと簡単にできたんじゃないの?と思ってしまいました。何ならS字フックでも充分そう…。

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チャックだけではなく、プライヤでカチカチフックも外しながらなんとかめくりあげることに成功。ワイヤーは、親指のあたりでタイラップでしっかり縛り付けてありました。別に縛り付けずにシートの中にたらーんでいいと思うんですけど…

カチカチフックを6個くらい外して(これも地味に時間かかりました…)ようやく上の写真のような状態にまでめくりあげることができ、ワイヤーがフレームに縛り付けられていることが判明。これを切ってしまうことでワイヤーを引っぱり出すことに成功しました。ワイヤー、シートの中で弛んでたって見えないんだし問題ないと思うんですけど…。こんなところではありますが、しっかりきれいに縛り付けてありました。見えないところまでちゃんとしてるなぁ。

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これくらいワイヤーが引き出せれば、難なく玉掛け可能です

そしてようやく作業スペースが生まれ、上の写真のように無事球をかけることができました。あとはひたすら元に戻していけば、完了です。

タイラップは面倒なので、再び縛り付けることはしませんでしたが、ひょっとするとタイラップで固定してないとうまくワイヤーを引けないのかなー、とも思いましたが、なくても何ら支障ありませんでした。今思えば、シートを開けなくても球を掛けれた気もしますが、この方が格段に作業しやすいのは間違いありません。やがて助手席側も割れるかもしれなので、その時はシートを開けずにできないか、もう一度チャレンジしてみたいと思います。

まぁでも、改めてこのクルマ、メンテナンス性(作業性、パーツ代)は悪いな、と思いました。作りはしっかりしていて良いんですけど、メンテナンスの時も考えて設計するようなことはしていないんだろうなぁって。”壊れないようには作っておくけど、壊れた時は諦めて!(問題なし👍)”みたいな感じなんですかねぇ。

 

ちなみに、今回はレバーだけで済みましたが、ワイヤーも交換する必要がある場合もあるそうです。ただし…

ワイヤー(71749274)  13,700円

工賃  12,000円

レバーと合わせてたらこれだけで50,000円超えます(泣)

 

純正 シートレバー(左ハンドル・運転席側)
71752325
ODO: 85,595km
交換日: 2022年1月29日 DIY