『旧車生活』

旧車(FIAT 500F:チンクエチェント)を軸に、趣味のことをずらずらと…

愛車遍歴 その7 500(チンクエチェント)(2021- )

旧車を所有することなど夢のまた夢…とあきらめて、現代版アバルト500を購入したのが7年前。それが、その7年の間にあった入れ知恵を経てついに夢を叶えてしまったのがこのクルマ…

愛車遍歴 その7 フィアット500(チンクエチェント)

このブログを立ち上げたきっかけでもあるこのクルマの購入。免許を持つ人間が家に2人しかいないのに3台も車が必要なわけはなく、ましてうち2台はMTということになるので、運転できるのが1人しかいないウチの状況では「絶対に不必要なクルマ」であることに間違いありませんでした。でも、買ってしまった理由を少しつらづらと…。(ただし、いずれも経験のないことなので現段階ではあくまで”妄想”、それを実証していくのがこのブログの位置づけなのですっ!!)

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夢の新旧そろい踏み!!
意外に維持費がかからない!?

まずは最大のどんでん返しは維持費の話。

実物を見るとますます実感しますが、クルマの構造はいたってシンプル。箱の中にエンジンがあってトランスミッションがあってタイヤにつながって回す、あとはハンドルがつながっていて旋回する…ただそれだけです。空冷なのでラジエータもなく、ただエンジンオイルをタンクで冷やして巡らせるのみ。エアコンもナビもパワステもないので、壊れたらどこを直せばいいのか明確なうえ、ほぼすべての部品に手が届きそう、作業性抜群です。中途半端に古い2~30年前の旧車はもっと高機能になって構造も複雑になってきて、調子が悪いと原因の特定やいざ処置をしようにも大変そうな、イメージ通りの”ザ・旧車”ですが、ことこのクルマに関しては手がかからなそうな匂いがプンプンするのです。

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なんとも言えない愛らしい面構え。40年以上経っても変わらぬ秀逸なデザインはもはや骨董品の域

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座っているだけで心が落ち着くインパネ。動かすスイッチはハンドルにあるウィンカーレバーとHi/Loビーム切り替えレバーのほかはインパネに並んだ3つのみ。しかもヘッドライト、ワイパー、メーターランプ、と壊れてしまっても走りには影響しないものばかり

そして部品もしかり。普通は部品が壊れてしまったら入手困難だったり、あっても高価だったりするわけですけど、このクルマ、いまだ全世界で愛用されており、いろんなメーカーがパーツを生産し続けているので部品代も普通の値段、ともすると割高感がある現国産車のそれよりもお安く入手可能です。(粗悪品もあるようですけど…)

そして税金。通常新車登録後13年、18年と経過すると税金がアップしていきます(見直してくれ~)が、ウチに来たこのチンク(フィアット500)は72年式ではあるものの、イタリアからやってきた国内未登録車。従って、手続きの記事でも書きましたが、れっきとした”新車”扱いなのです。なので、初回車検は3年後、税金は13年後までは1リットル以下、1トン以下の税額そのままなのです、意外にでかい!!

そして燃費。まだ測定中ですが、16km/Lくらいは期待できるらしい。アバチン(アバルト500)よりいい!!ノアHVといい勝負かも。

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オマージュはしているものの、アバチンはFFに対し、チンクはRR。乗り味はもはやゴーカート
アバチンも延命!?

MTを運転するのが私だけだとすれば、アバチンに乗っていたうちのいくらかがチンクで走ることになるので、アバチンの走行距離の伸びは緩やかとなり、延命されるのです。スタッドレスタイヤを買う時の言い訳と似ていますね(同時期に2セット持つことにはなるけど2セット分で走れる距離は一緒…みたいな)。アバチンを末永く乗り続けたい、という夢も叶えてくれるのです!!

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2台持ちで2台とも永く乗れる!?もう、一生この2台は手放しませんぞ
資産価値が上がる!?

今日のEVシフトで、欧州を筆頭に完全に純エンジン車の切り捨てに舵を切った模様。EVシフトの功罪は他でたくさん言われているので割愛するとして、個人的にはきっと世の中純エンジン車が恋しくなるハズ。あるメーカーはBEVでエンジン音をスピーカーから流すなどと言っているが、そんなクルマは要らんでしょう。エンジンが鳴るからエンジン音なのだ!!ともすれば、BEVの方が地球にやさしくない場合だってあるかもしれない。需要が出てきてももう新車販売をしなくなったりしているわけだから数限りある中古車しかない…そんな時代が来たら、チンクのような愛らしいクルマの需要はぐっと上がるはず…そう思うと、とってもリセールバリューの良い旧車なのかもしれない。手放しませんけど、お金に困ったときには戦力になるかも。

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このクルマは乗るためにあるのではなく、眺めるためにあるだけでも充分!!
なんだかんだいっても、何より魅力がたくさん!!

…と、ごたくを並べたものの、結局はその魅力に尽きます。どんなに腹立たしくてもそこにあるだけで和ませてくれるデザイン、アバチンで手が出せなかったキャンバストップ、早くたどり着くなどどうでもよくなるゆったりとした時間…。豪華装備は何もないけど、ほかのクルマにはない何かが詰まってて、シートに座っているだけで幸せになれます。

最近では高齢者の運転するAT車が暴走して大変なことが起きてます。そう遠くない将来、クルマが止めにかかってくれるようになるでしょうが、そういう意味ではMTはなんかあっても減速、エンストする方向なので、よっぽど安全だと思っています。なので、チンクとアバチンの2台は自分が高齢者になっても乗れると思っています。だから、クルマを買うのはこれで打ち止めでもいい、そう思って買った次第です。次の夢は、定年退職後もまだこの2台と過ごしていることですかね。

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自宅から6kmほど離れた公園で。動かせるのは自分だけなので、この写真を撮るためだけでも家族総出&4往復…

 

旧車といえば、どの程度レストアされているかで大きく値段が変わりますが、あまり自分では触れない私は、ちょこちょこ直しながら乗り続ける楽しみよりも、最初にびしっと見てもらってそれを上手に乗り続ける道を選びました。いわゆるフルレストア車。購入したショップでは、イタリアで仕上がったクルマをさらにいったん分解し、塗装もし直し、部品も組み上げなおし、納車前に400km近くも走りこんで仕上げていただけました。

購入時にアップグレードしたのは、ABARTHオイルパン(4L)と、123イグニッションコイルのみ。空冷エンジンの肝はオイルだと思ったので大容量にしておけば少しは安心か、と。500cc(17.7ps)は非力だ、と言われていたのでボアアップを悩んでいましたが、同時点火にするだけでも違う、とのことでまずは。ノーマルはポイント、コンデンサー、ディスキャップ・ローターなどの消耗部品を使っていますがそれらがなくなりトラブルが少なくなる、というのにも惹かれました。発電機はオルタネーターにされている方も多いようですが、あえてジェネレータのままに。これは別のショップで「ジェネレータの方が修理しやすい」と伺ったこともあるのと、そもそも電装品は少ないのでそんなに頑張って発電しなくても大丈夫なんじゃないか?と思ってのこと。結局この辺も、簡単な構造の方がトラブル回避&修理費抑制につながる(と見た!)のです。正しいか否かは今後の様子見で解っていくでしょうね。

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エンジンルーム。塗装もし直されてピカピカ

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ボンネット内は燃料タンクとスペアタイヤ、ジャッキなどがあります

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グレードアップしたオイルパン。外観上ノーマルと違うのはこれのみ。

そんなこんなで始まった『旧車生活』。

何が起こるか、いつまで乗れるか、楽しみに生活していきます。

 

主要スペック
車名 1972y フィアット500F
車両型式 -110F-
エンジン 110F.000 0.5L 直列2気筒 17.7PS
パワーウェイトレシオ 29.94kg/PS
圏外/8681車中
所有期間 2021年7月7日~現在
走行距離  

※パワーウェイトレシオの順位はこちらのサイトを参照
パワーウェイトレシオ ランキング (全車種・総合) | greeco channel (greeco-channel.com)