『旧車生活』

旧車(FIAT 500F:チンクエチェント)を軸に、趣味のことをずらずらと…

山活動100日目!! ~前掛山(浅間山)~

今シーズン3度目の山行にして、通算100日目は、5ヵ月ぶりに噴火警戒レベルが1に引き下げられ、前掛山まで踏み入れられるようになった「浅間山」。5ヵ月ぶりと言っても5ヵ月前は冬シーズンだったので、夏山シーズンとしては昨年の6月以来、本格夏山としては2018年シーズンぶり。天気と都合と警戒レベルとがかみ合わないとなかなか行けないし、次また引き上げられるか判らないので、行けるうちに…と。

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今回の活動データ。設定を誤ってしまい、消費カロリーは少なめ表示。そんなにタフではない、と思っていたのに、前回の仙丈ケ岳より距離も標高差も、こちらの方が”上”でした

まずは登山口のる天狗温泉 浅間山へ。浅間山へは、チェリーパークラインを登り切った車坂峠(標高1973m)からと、今回の天狗温泉 浅間山荘(標高1411m)からと2ルートあります。車坂峠からの方が出だしの標高も高くて楽…かと思いきや、第一外輪山の黒斑山を乗り越えないといけないので案外大変、浅間山を”眺める”ならこちらの方がオススメですがね。今回は登頂目的なので、後者のルートで向かいます。

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以前車坂峠から登った時の浅間山”ガトーショコラ”。眺めるならこちらがオススメ

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チェリーパークラインから天狗温泉まではほぼ4km近くのダート路。 八ヶ岳の桜平や美濃戸に比べれば綺麗に整地されているのでいいけど、それでもこのクルマでのダートはしんどい

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噴火警戒レベル2の時は、行けても湯の平にある賽の河原分岐まで

駐車料金は500円ですが、駐車チケットで入浴料が800→600円に割引になります。このルート、ほとんど急登の類はなく、歩きやすいルートであることには間違いありません。登りだしから第一外輪山の切れ目あたりにある火山館までは気持ちがいい樹林帯を進みます。一ノ鳥居で、沢沿いを進む不動滝方面と巻き道とに別れますが、滝=急登と捉え、巻き道の方を登りに使いました。谷底にある滝は午前中はまだ陽が当たっていないだろうというのもあります。(帰りは不動滝経由の沢沿いを歩きましたが、事実、滝~二ノ鳥居までが急登のため、この選択はおすすめです)

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歩きやすい登山道

約2時間ほどで、火山館到着。

手前に1箇所だけ硫黄臭が鋭いゾーンがあり、活火山に来てるんだな、と思い知らされます。もう気分は、温泉に浸かっているそのものです。

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第一外輪山の切れ目にそびえる牙山。南方向からなら遠くても浅間山の近くで異彩を放っているのでよくわかります

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火山館直下の”異臭地帯”。水はきれいなんですけど、まっ茶っ茶の川底を見ると触るのには躊躇してしまいます。奥に見えるのは仙人岳。

火山館からは湯の平と呼ばれ、第一外輪山(剣ヶ峰、牙山、トーミの頭~仙人岳)と第二外輪山(前掛山)の間のくぼ地となり、ほぼ平坦になります。何か、下界とは隔離されたような別世界が拡がります。

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湯の平

そして、ずんずん進むと賽の河原分岐まではあっという間に到着し、いよいよここから先が火口1.5km圏内。前回は立ち入れなかったエリアです。

標高50mほど登るといっきに視界が開けます。

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樹林帯が切れると、目の前に巨大な岩山(というか、砂山)がドーーーン

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振り返れば、トーミの頭から黒斑山、蛇骨岳、仙人岳、鋸岳の第一外輪山。
ただただ、雄大

ただ、ここからが苦悶中の苦悶…

富士山に登ったことがある方は解っていただけると思うのですが、ひたすらの斜道。登れど登れど向かう景色は変わらず、先行く人は遠のき、後から来る人はどんどん迫って来る、という蟻地獄状態。まん丸の頂が恨めしく思えます…。

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どこまで行っても変わることのない景色。何かが近づいて来でもしてくれれば、心の支えになってくれるでしょうに…

そんなときはとにかく後ろを振り返ります。

雄大な景色に心を洗われ、そして「あの人よりは上にいるぞ♪」と自己満足。しかし、人を支えにしているとあっという間に追いつかれるので、その時の落胆感たら半端ないしっぺ返しをくらいます。やはり自己完結が一番いい。

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この景色が全ての心の支え…

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溶岩の中に咲く草花。名前調査中ですが、一面に生えておりました。すでに秋色

そして、分岐から60分(あれ?もっと長かったと思ったのに…)、ようやく第二外輪山の稜線に出ました。ここまで来れば後は雲上の稜線歩きが待っているわけです。

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稜線上にある避難シェルターから、今日の目的地、前掛山。あと少し。

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たまに「ボフッ」と噴煙を上げる浅間山。今噴火したらどうする?といつも考えながら歩いてました。左下にシェルターが見えます

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前掛山までの稜線。今まで頑張ってきたご褒美だ

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湯の平もそうだったけど、ここはもっと人手が入っていない別世界。ここが日本とは思えません

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西側にトーミの頭と黒斑山。左下に牙山。どんどん雲が入ってきます。この晴天もそう長くは続かなそう…

この稜線、360度遮るもののない、ホントに気持ちのいい遊歩道です。

60分の坂道を克服すればどれだけ居ても飽きることのないこの景色を眺めながら歩けるので最高です。

で、無事、前掛山登頂。

くぼ地の向こうには浅間山最高地点の釜山が見えます。意外に広大。下から見てた丸いお山の上にこんなに奥行きがあったとは…。

そしてあの丘の向こうには煮えたぎった?火口があるのかと思うと、やっぱりのぞき込んでみたくもなります。

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前掛山頂上。向こうをのぞき込みたい

帰ってきてこうして振り返っていると、区間区間はそんなに長くはなかったはずなのに、自分にとっては長く、辛く感じました。やはりコロナ禍で体がなまっているのかな。なんか、自分の不甲斐なさが身に染みた1日でした。

帰りは天狗温泉 浅間山でひとっ風呂。源泉温度は(たしか)8℃くらいしかないようで、湯温は37℃くらいのぬるま湯。しかしまたこれが下山時のお風呂としてはちょうどいい!!もちろん、色は、途中の川で見たのと同じ、まっ茶っ茶、です。

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天狗温泉 浅間山荘にて購入。3種類ありましたが、やはり今回登ったのは浅間山ではなく前掛山なのでコレにした。いつか浅間山に行ける日が来ますように…