『旧車生活』

旧車(FIAT 500F:チンクエチェント)を軸に、趣味のことをずらずらと…

南アルプス初入山!! ~仙丈ケ岳~

少し前になりますが、盆休み中の天気が怪しかったので「行けるうちに…」と思い、今シーズン2回目の山行に行ってきました!!

前回の乗鞍岳で、3000m峰は富士山、御嶽山北アルプスの12座を制覇したので”残すは南アルプス!”…というわけではないのですが、何となく今まで避けてきた南アルプスに足が向きました。で、初めて踏み入れたのが「仙丈ケ岳」です。数年前に一度計画したのですが体調不良で直前に取りやめ。昨年は、長野県側は林道損壊のため、北沢峠まではバスが通っていなかったので、ただでさえ山深い南アルプスをさらに遠ざけていたのですが、今年7/31から、0.7kmの徒歩区間を挟んで開通したので、早速。(なお、山梨県側からは昨シーズンに続き不通状態です)

南アルプス林道バス_北沢峠までのシャトルバス運行:伊那市公式ホームページ

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今回の活動データ。登りは藪沢ルートから小仙丈尾根を経て仙丈ケ岳へ。下りは藪沢新道を下って大平山荘に抜けてみました。ただ、藪沢新道は、道が悪く、沢沿いのため展望もなく、見どころなし、さらには最後、北沢峠まで登り返さないといけないおまけ付きのため、あまりお勧めできません

 仙流荘からバスに乗り、歌宿の少し先で一旦バスを降ろされる。不通区間はこの1箇所だけで、徒歩で通過します。0.7km 15分だそうですが、気持ちが昂っていたせいか5分くらいに感じる、苦のない散歩でした。

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歌宿の少し先の不通区間は一旦バスを下車し、仮設歩道を歩き、再び左奥に待機中のバスに乗り継いで北沢峠へ。全線復旧もあと少しといった感じで、ホントに頭が下がります

で、北沢峠着は7時過ぎ。最終バスまで8時間半なので、それまでに帰ってこれるよう、早速出発します。

シラビソの樹林帯を気持ちよく歩いて視界が開けると、お向かいの甲斐駒ヶ岳がズドン。道中、甲斐駒ヶ岳はずっとそこにあるので付き合いが長くなります。

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花崗岩でできた、南アルプスでは一風変わった甲斐駒ヶ岳。雲一つない晴天だと思っていたら、左奥の八ヶ岳周辺はすでに雲が湧いていました

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六合目からの甲斐駒ヶ岳。右手には、宇多田ヒカル…というか南アルプス天然水のCMで一躍有名になった、栗沢山とアサヨ峰。甲斐駒ヶ岳とセットで次に行きたい

視界が開けると以降は直射日光に晒されながらの山旅が続きます。バスのおかげもあってすでに2400mを超えてきているので、ジリジリな日差しを除けば快適そのものです。

藪沢大滝ノ頭を越えて、登り始めて約3時間。仙丈ケ岳に到着。タイム的にも順調です。

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仙丈ケ岳のピークにあがると、小仙丈沢カールの向こうに仙丈ケ岳を一望できます

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そして東側!!富士山、北岳間ノ岳の標高ワン・ツー・スリーそろいぶみ!!

仙丈ケ岳と言えば、標高1位 富士山(3776m)、2位 北岳(3193m)、3位 間ノ岳(3190m)が眺められるこの景色!!でもやっぱり1位は2位以下を突き放して別格のオーラがあります、独立峰な上に形もそう、ゆえに高度感も別格。北岳間ノ岳の3000m散歩道も、今日歩けたなら最高に気分がいいんだろうなぁ。いつしかまた、こういう日を狙ってあそこを歩きたい。

ここまでで十分お腹いっぱいだし、ずっとこの景色を眺めていたい思いではありますが、終バスもあるし、まだ全体の1/4の進捗なので、後ろ髪をひかれつつ出発。

でも、ここからはホントに快適です。歩きやすいし、眺望もいい。周りはまだ行ったことない山々ばかりなので、「あぁ、次はあそこに行きたいなぁ」などと妄想しながら歩いていると疲れ知らずです。雷鳥もいました。

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絶好の展望台、小仙丈ケ岳

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仙丈小屋との分岐。ここまでくれば山頂はあと少し

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甲斐駒ヶ岳。振り返っては何度も眺めてしまいます

仙丈小屋へとの分岐までくれば残り20分程度で山頂。ルートは藪沢カールをぐるっと巻く感じで、眼下に仙丈小屋を眺めながら、さながらお鉢巡りのような感じです。

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右手に藪沢カールを見下ろしながら、ピークを3つほど超えると、目指す仙丈ケ岳

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3000mの散歩道

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山頂。こうしてみると密に見える…

で、無事に登頂!!南アルプス初の3000m峰であります。百名山としては26座目。北沢峠から4時間半なので、なんだかんだ急いだ割には、絶景すぎて標準タイムを少し超えるくらいでした。それでも、バスが思いのほかスムーズで、計画より30分ほど早いのでしっかり景色を堪能することができました。農鳥岳(3051m)や塩見岳(3047m)といった南アルプスの山々は、小仙丈ケ岳からは雲一つなく眺められたのに、昼に差し掛かったここでは待てど暮らせど雲の中から顔を出すことはありませんでしたので、諦めて下山します。

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3033mの仙丈ケ岳百名山としては26座目

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塩見岳へと続く仙塩尾根。TJARのルートでもあります。ピークは、仙丈ケ岳よりも低いけど”大仙丈ケ岳
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山頂に咲いていた(左)ミヤママンネングサ?と(右)チシマギキョウ

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藪沢カールを見下ろす。左手から下って、仙丈小屋を経由し、そのまま馬の背方向に下って行きます

今夏、仙丈小屋は、水が枯れてしまったそうです。雪が少なかったのか、はたまた暑さ続きのためか…。

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さようなら、仙丈小屋

馬の背ヒュッテは休業中でした。馬の背ヒュッテ周りは鹿の食害防止用ネットに守られた高山植物がたくさん咲いていました。あまりにもたくさんの種類が咲いていて、さながら花壇のようでした。

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馬の背ヒュッテ近くのマルバダケブキの群落

馬の背ヒュッテから少し下ると沢に出て、そこで、薮沢小屋を経由して大滝ノ頭へ戻る道と、大平山荘に至る藪沢新道と二手に別れます。当初は大滝ノ頭へ戻る予定でいました。藪沢新道は雪渓がなくなる7月上旬あたりまで開通しないような道だそうで、荒れているような情報もあったので避けたわけですが、沢の水で顔を洗って休んでいると、通過2組中2組とも、藪沢新道を行ってしまったので、つられて行ってしまいました。一番いかん行動ですよね…。

で、これが、やはり後悔な判断…。予想通り道はザレ場・ガレ場だらけで、ポールが無かったら相当体力と神経をすり減らしたのではないか、と思うような道でした。ここを登るのは脚がずぶずぶ沈むので、相当へこたれそうだな、とも思いました。しかも、沢沿いを進むわけなので、見える景色は向かいの甲斐駒ヶ岳のみ。地図上では大滝なる見どころもあって期待していたのですが、登山道からは何も見えず…で特に見どころもなく、大平山荘まで至る道でした。

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結構な急坂を、足場の悪いザレ場・ガレ場を下る。1人だけ登ってくる人とすれ違いましたが、よくぞこんなところを登ってこれた、と尊敬しちゃいます

しかも大平山荘からは、”基本は”バスには乗れず、北沢峠まで登り返さなければいけないので、まずますメリットを感じませんでした。”基本”としたのは、先行していた3人は、たまたま登っていくバスの運転手と”3人なら何とかしたるから待ってろ”と優しい運転手と会話できたそうだったので、4人目となってしまう自分は北沢峠まで戻りました。運が良ければ乗せてもらえるかもしれません…くらいの話です。

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今回の戦利品。仙丈小屋にて購入

ともあれ、無事、終バスの一つ前に乗車でき、下山しました。

この日、下界は酷暑だったようで、クルマの中はあっちっち。

仙流荘でお風呂に浸かってさっぱりさせていただきました。日帰り入浴500円なり。

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奥に見えるのが鋸岳と甲斐駒ヶ岳。あんな遠くの山に登っていたのか、と思うとバスのありがたみを感じます