2021秋の逃避行 ~雲ノ平周回 Day.1 薬師岳~
少し長めのお休みが確保できたので、長年計画してきた「雲ノ平周回」を実行してきました!!
折立~薬師岳~黒部五郎岳~鷲羽岳~水晶岳~雲ノ平をめぐって折立に戻る、総延長55km、累積標高差4,770mにも及ぶ、3泊4日の山旅であります♪
今回はその1日目、折立~薬師岳~薬師峠キャンプ場をご紹介します。
自宅~折立登山口へ
旅の始まりは実はその前日から。
2日目のことを思うと薬師岳へ登れるチャンスは1日目のみ。とすると10時間は見ておきたいので、日が短い秋では5時台には出発したい。が、登山口に至る有峰林道は、20:00~6:00までは通行不可なので、前日入りが必要なのです。ちなみに19:59にゲートについても、もう入れてくれません。各ゲートから、折立までの所要時間(約40分)を引いた時間で閉められてしまうので、要注意です。ここでしくじったら初日から出遅れてしまいますからね…。
移動はいつものアバルト。なので、車中泊もアバルト!!こんな小っちゃなボディで、できなそうなのですが、できるのです。過去1度目はリアシートにうずくまって寝たこともあったのですが全く眠れず。2度目にリアシートを倒して敷布団も持ち込んで4時間くらい過ごしてみたところ、なかなか眠れるぞ!と気づき、今回その成功を踏まえての3度目なのです。しかし今回は18時には折立着ということで、12時間近くここで過ごすことになるので、ちょっとエコノミー症候群もどきになりました…。
折立(5:50)~太郎平小屋(10:40)
予想に反して朝方まで雨が続いたため出足が遅れましたが、それでも5:52、いざ出発。登山口からはもくもくと樹林帯を登りますが、標高1,870mにある三角点まで来ると正面に薬師岳がドドーーンと顔を出します。スケールの大きさに圧巻です。
三角点までの2時間で、意外と足が重く、いまいちペースが上がりませんで「あぁ、コロナ禍での運動不足がたたってるのかなぁ」と、毎日当たり前に続いていた通勤時や会社内での歩行や階段上り下りが随分と助かっていたんだなとありがたく思いつつ、この先果たしてどの程度予定通り歩けるのか、とても不安になりました。
それでも、このルートとても歩きやすいし、三角点以降はなだらかな登山道が続いて、”(今が良ければ)まぁいっか”と思えるくらい”のほほん”としています。まぁ、薬師峠から先は空身で歩けるから、きっと楽なハズだ。とにかくテント場の薬師峠までは頑張ろう、と。あまり先々のことを考えず、ひたすら歩き、登り始めて約5時間、ようやく太郎平小屋に到着しました、ほとんど計画から時間短縮できていません…
太郎平小屋 (10:40)~薬師岳山荘(13:30)
太郎平小屋で幕営の手続きをして、いざ薬師峠キャンプ場へ。
早く20kg近い荷物を降ろして空身になりたい。そうすればペースも上がるはず!!
キャンプ場へは小屋から20分ほど。ほぼ平たんな木道で、正面に薬師岳、右手に明日以降めぐる黒部源流域の山々がずっと眺められます。キャンプ場でテント設営後、ホントは周りの人みたいにお昼ごはん食べてゆっ~くりしたいところですが、今日はもう少し頑張って薬師岳を往復したいので早々に出発。調理するいいニオイがするテントの間をすり抜けるのはなかなかの試練でした。
少し歩いて、期待に反し、空身になってもペース上がらないことに気づく。ホントに苦しい。運動不足なだけでなく、泊りの山行は今シーズン初めてなので、仕方ないかな。こりゃ辛い4日間になるぞ…。そんな感じで30分ほど登ると薬師平に着きました。この辺りがホントに絶景!!
チングルマもたくさん咲いてるし、その向こうには槍ヶ岳などそうそうたる山々が一望でき、いちいち歩が止まります。まぁ、すでに疲労感いっぱいなので、休憩するのに好都合な言い訳になるのでいいんですけどね。
薬師岳山荘(13:30)~薬師岳(14:30)~薬師峠キャンプ場(16:15)
薬師岳山荘から先は森林限界も越え、砂礫の稜線。ニセピークに騙されて心が砕けそうになりながらも、祠のある山頂を目指します。避難小屋がある一番手前のピークから先は、えぐられたカールの縁を歩くのでより一層雄大さを増した風景が拡がります。カールの向こうには、今までずっと遠くにしか見えてなかった水晶岳や野口五郎岳などが間近に眺められて、自分がとうとうこの黒部の山奥に来てるんだな、と感無量でした。
14時も過ぎて山頂に着いたので、やはり雲が湧いてきてしまい、剱・立山方面は雲の中。想定以上に雲行きも悪く、遠く雷鳴も聞こえてきたので早々に退散。途中で雹にも打たれ、ヘロヘロになってキャンプ場まで帰ってきました。明日はこの4日間で最長行程の勝負の1日。しっかり休んで早起きせねば…。