『旧車生活』

旧車(FIAT 500F:チンクエチェント)を軸に、趣味のことをずらずらと…

[パーツレビュー]ECUチューニング

ゲームの中では当たり前のようにやっていたけども、まさか実車でやることになるとは思いもよらなかったのが、ECUチューニング。初めて中の初めてで、唯一の拠りどころが”ディーラーおすすめ”であった「THREEHUNDRED Tuning ECU」。

f:id:aba500:20210112163442j:plain

ECU書き換え中…

アバルト500は、「NORMAL」モードと、ボタン一つで変更できる「SPORT」モードがあります。SPORTでは、パワステのアシスト量が減るとともに、ECUマッピングが変わって最大トルクは18.4kgmから21.0kgmに上昇します。普段はNORMALで、高速道路や峠道ではSPORTにして遊んでいたのですが、2年乗った感想として「NORMALとSPORTの中間的なモードが欲しい」でした。というのも、NORMALではターボの効きが相当抑えられているようで、明らかなターボラグがあり、1、2速が非力。かといってSPORTにすると、改善はするもののハンドルが重くなり街乗りで腕が疲れる、のです。

f:id:aba500:20210113150821j:plain

ダッシュボードにある「SPORT」スイッチ。これを押すとサソリが目覚めます

そんな時、ディーラーに出張キャラバンでやってきていたTHREEHUNDREDのお試しインストール。何でも自分のクルマに実際に書き込んで試走し、気に入れば購入、そうでなければ元に戻す、といううれしいキャンペーンをやっていたのです。

ECUチューニングは(というかクルマイジリはほとんどそうかもしれませんが)それなりにお金かかるし、かけた割に効果は”やってみないと判らない”という取っつきにくさがありますよね。それを”試せる”、しかも”自分のクルマで”というのだから、ありがたい…と思い、当時最寄りのディーラーまで50kmちょいありましたが、どれだけ変化をもたらしてくれるのか、ワクワクしながら向かいました。

メリット

書き込む前に、ディーラーの人やTHREEHUNDREDの方と前述の悩みを話したところ、コンセプトは「絶対的なパフォーマンスアップもさることながら、普段乗りの使い勝手も良くなるようにした」とのこと。サーキットには行かない自分にもピッタリそう、ということで、早速書き換えて試走してみました。すると…

 「速っ!!」

もっさり感を感じていたのが1、2速だったので、ディーラーを出てすぐに変化が実感できました。先日追加したクイックシフトの効果も相まって、面白いように”サクサクッ”とシフトアップさせられ、ニヤニヤが止まりませんでした。で、そのままSPORTモードを試しに高速道路へ…

「怖っ!!」

メーカー計測では135PSから195PSと、1.5倍近くに膨らんでいることもあり、車重が軽いおチビさんなので、今までの構えでドライブしたまま踏むと、まっすぐ加速するというよりもハンドルを取られるようなじゃじゃ馬状態なほど。ブースト圧もそれまでは、頑張って踏んでも0.4~0.5barだったものが簡単に1.2barあたりまでスイスイ上がるようになりました。

愉しい、愉しすぎる!!

f:id:aba500:20210112181055j:plain
f:id:aba500:20210112181116j:plain
メーカーHPより。最高出力もさることながら、1、2速からしっかりトルクがかかる感じに

そして何よりも、4,000rpmあたりまで踏み込んで変速のためふっとアクセルを抜いた時、クルマの後の方から…

「パンッ!!」

いや、

バンッ!!」

とすごい音を発しました。つ、ついに、自分のクルマでも、「パンッ!!」と唸った。

最初は並走するクルマがパンクしたのか、と思ったほどで、何度か試すと間違いなく自分のクルマから発せられていて、見かけはハムスター並みなくせに、いっちょ前に「パンッ!!」なんて、もう暴走族級に熱い子になってるぞ。

f:id:aba500:20210112172246j:plain

アクセルを抜いた時に、一人前の「パンッ」を出したお尻。さすがに火が出たわけではないと思うけど、焦げていないかどうか、一応確認…

あと、心配していた「クルマに無茶をすることにならないか」に対しては、ディーラー曰く「もともと日本仕様は出力を抑えた状態なので、大丈夫。ポテンシャルを設計内最大限に引き出すイメージ」とのこと。ホントかどうかはいざ知らず、私としては嘘でもそう言ってもらえると安心して導入できるわけです。

デメリット

この時、私なりに、確実に”パワーを求めすぎて、行ってはいけない方向”へ踏み出している気がしてなりませんでした。なんかこう、快楽と引き換えに”差し出してはいけないものを差し出す”ことにならないかな…と。助手席の奥さんの顔を見て、お金のことよりもそっちのことのために、今日のところは元に戻すことにして帰ることにしました。どんなものかがわかっただけでも収穫かな、いつかまた機会があれば…と。

が、”お試し”の中毒はここから。

自分のクルマで一度味をしめて、戻れる訳がないですな!!。1日悩んで翌日、またキャラバン隊を追っかけてって「やっぱり買います!」と言ってしまいました。やってみないと判らないクルマイジリですが、やったら戻れない、のもクルマイジリのようです。

あと、注意点としては「書き込み」であること。稀にメンテナンスなどで気づかずに上書きされてしまうことがあるようです。1年以内なら再度書き換えてもらえるそうですが、いかんせん目には見えないチューニングでかつ高価なので、2年目以降は気を付けないと…。ECUが2個あると安心なんですけどねぇ。

 

ともあれ、絶対値もさることながら、普段使いでもとても使いやすい状態に。サーキットを走るわけではない私は、安全かつクルマにやさしい範疇で日々愉しんでいるわけです。

 

THREEHUNDRED Tuning ECU
THAB2007
評価: ★★★★★
ODO: 37,753km
装着日: 2016/12/25 ディーラーにて